宝城坊の鐘堂 一宇
宝城坊の境内の東側に建つ本鐘堂は、柱間が三・九一六メートル四方で、屋根は茅葺です。
国指定重要文化財の暦応三年(一三四〇)の銘文を持つ銅鐘を吊るしています。最初の鐘堂(楼)は銅鐘の銘文から、鐘とともに平安時代に建てられたと考えられます。現在の鐘堂は、昭和五四年の改修時に宝暦十三年(一七六三)銘の棟札が発見されたことから、建造はその頃と考えられます。
また、平成二四年には、茅葺き屋根の全面的な葺き直し、地覆の損傷部分を取り替える修復工事が行われました。
通常、鐘堂は四本の柱で建てられていますが、宝城坊の鐘堂は一隅に三本を使い、四隅合わせて十二本の柱で建てられています。十二本の柱は、薬師如来を守護し十二の刻を守るとされる十二神将をあらわすと言われています。
「日向薬師境内」案内板より